クマネズミ

< クマネズミとは >

クマネズミは、ネズミ目ネズミ科クマネズミ属に属する哺乳類です。
日本の家庭において現れる家ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)のひとつ。

ドブネズミ クマネズミ ハツカネズミ
↑ドブネズミ(左)、クマネズミ(中)、ハツカネズミ(右)


< ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの外見での見分け方 >
まずハツカネズミは他の2種類に比べて明らかに小さいです(体長5cm〜10cm程度)。
そのためすぐに判別がつきます。

ドブネズミとクマネズミではドブネズミのほうが体格が大きいのですが、
体長20cm前後の場合は 「小さなドブネズミ」 なのか 「大きなクマネズミ」 なのかそれだけではわかりません。
見分け方としては、ドブネズミのほうが体のラインがずんぐりしていて、特に腰周りがしっかりとしています。
また、ドブネズミの目は小さく、鼻先は丸め、尻尾もやや短めです。

そして見分ける最大のポイントは耳。
ドブネズミの耳は小さく耳の中が複雑な構造になっていますが、
クマネズミの耳は非常に大きく、逆に耳の中はドブネズミにくらべると非常に単純な構造になっています。


< クマネズミの身体的特徴 >
クマネズミは、体長は15cm〜22cm程度の大きさで、ドブネズミに比べると少しだけ小柄です。
鼻先はやや尖っており、耳が大きく、目はつぶらで大きいのが特徴で、
外見だけを見るとペットにしても良いかなと思えてしまうぐらいに非常に可愛らしい動物。

体色は基本的には褐色から灰褐色です。
腹部は背中部分に比べて色が薄く、薄い黄色もしくは白色をしています。

クマネズミ クマネズミ


< クマネズミの生息地 >
ドブネズミは湿った場所を好むため床下や地下階に住み着きますが、
クマネズミは逆に高い場所を好んで天井裏などに住み着きます。

彼らは垂直の壁や配管などを登ることができ、電線などの細い足場の綱渡りもお手のものです。
さらに1〜2メートルは飛べるほどの強い跳躍力を持っており、
柔らかい壁材ならば自分で穴を空けられるほどに鋭い歯を供えているため、
家屋への侵入を完全に防ぐのは非常に困難です。

近年では都心部に高層ビルが増えてきましたが、そこでさえクマネズミの大量発生が問題になることもあります。
ビルの建物内部では配管や電気系統のケーブルが縦方向につながっており、
免振構造が採用されている場合は壁と柱の間に空間があります。
それらがクマネズミにとっては都合の良い縦貫道路になってしまい、ビル最上部まで侵入を許してしまうわけです。


< クマネズミの生活と繁殖 >
クマネズミは乾いていて雨風がしのげる密閉空間を好みます。
(基本的には縦横10cm程度の狭い空間を好んで選ぶようです)

本来は昼行性の生き物なのですが、
人家に住むクマネズミは完全に夜行性です。
これは人間を相手にするには夜に行動したほうが都合が良いことを学習しての行動だと言えるでしょう。
クマネズミはそれぐらい知能が高く、適応力に優れた動物です。

生殖活動が積極的に行われるのは春と秋。
3週間程度の妊娠期間をもって、1度に5、6匹程度の子供を産みます。
生まれた子供は12週間程度で性成熟し、次の子供を産むようになります。
成獣の寿命はだいたい2年程度です。

しかし1年を通して温度変化がほとんどないビルなどを住みかにした場合、繁殖は1年中行われます。
「ねずみ算式に増える」という言葉のとおり、この場合クマネズミは爆発的に数を増やし、
それが大きな問題になるケースもしばしば。

クマネズミ クマネズミ子供


< クマネズミの食事と天敵 >
クマネズミは雑食性です。
しかしドブネズミと違って、肉・魚系の動物性のたんぱく質はそれほど好みません。
どちらかというと、米や芋、果物などの穀物を好んで口にします。
あとはチーズやソーセージなどの加工品など。

しかし、あくまでこれらは好みの話。
腹を空かしているときは、石鹸、常備薬、サプリメント、ゴキブリ団子まで口にしたりします。
結局は彼らは有機物であればなんだって食べてしまうのです。

彼らはその鋭い歯で食品のパッケージを破って中身を取り出します。
時には食品保管用のプラスチックケースでさえも破壊することがあるぐらいです。
全く、本当に厄介な連中だこと(汗)


逆に彼らの天敵は、ネコ、イタチ、ヘビ、大型の鳥類などです。
ネコやフェレットがペットとして飼われている家では、ネズミ達はその気配や臭いを感じ、
自分達にとって居心地の悪い家だと判断して引っ越していくケースもあるようです。

ネコ ヘビ

< クマネズミの人間に対する害 >
@衛生面での問題
クマネズミは、ゴミ置き場や排気口、天井裏などの汚れた場所を好んで徘徊しています。
死肉を食べるときもありますし、ゴキブリなどを捕まえて食べていることもあります。
そのため衛生状態は最悪です。

そのネズミが買い置きの食物をかじっていたり、キッチンの上を走り回ったり、寝ている間に人間を咬んだり、
そういったことで人間がネズミの持っている病原菌に接触してしまうことがあります。
サルモネラ菌、レプトスピラ菌、ペスト菌、鼠咬症など、発症するとかなり重症になる病気も存在するため、
ネズミぐらいと馬鹿にすることはできません。

また、イエダニやノミに寄生されている個体が多く、
室内にそういった衛生害虫が侵入する原因にもなります。
さらにクマネズミに天井を寝床にされて糞や食物を撒き散らされると、
ゴキブリなどの繁殖を許してしまう可能性も高まってしまいます。

A家財の損傷
クマネズミは際限なく前歯が伸び続ける生き物なので、常に何か固いものをかじって歯を削っています。
木材はもちろんのこと、無機物である壁材、プラスチック、何でもかじって破壊してしまいます。
コードなどの配線をかじられて、それが原因で停電や火事になるケースもあります。

クマネズミ クマネズミ


< クマネズミの侵入を防ぐための対策 >
さて、ようやく本題です。
人家に侵入する3大ネズミの中で、実はこのクマネズミが一番厄介だと言われています。
ジャンプ力が高く、地下よりは天井を好む性質、トラップに対しての高い学習能力がその理由です。

夜中に天井や壁の中で足音や、何かをかじっている音がする、
室内に細長い糞がある(クマネズミは立ち止まって糞をしないため散らばる傾向にある)、などが見つかれば、
それはすでに家の中にクマネズミが侵入しているサインです。

まずはクマネズミの屋内への侵入経路をチェックしましょう。
家の周囲をチェックして、壁材の破損箇所などのクマネズミが侵入できそうな隙間を探し、
もしそういった隙間があった場合は、セメントや補修材で修復しましょう。

ただしクマネズミは本当にルートの特定が難しい動物です。
前述したとおり、彼らは垂直方向の壁や配管をすいすい登って、
天井近くの高い場所にある人間が気付かないような隙間を侵入経路にしている場合もあります。
さらに細いロープの綱渡りもお手のもの。
思いつく限りの侵入ルートを塞いでもダメなら、次はクマネズミが好まない環境作りを心がけましょう。


< クマネズミが好まないような環境を作る>
侵入を完全に塞ぐのが無理であるとわかった場合。
こちらにできるのは、クマネズミに「うわー、この家住みにくいわ、ほか行こ」と思わせること。
そのための手段をいくつか紹介していきます。

@ネズミ用の忌避剤を使用する
侵入経路になっていると思われる場所に設置することで、
ネズミがその場所を嫌がって寄り付きにくくなります。
スプレータイプのものも市販されていて、どちらでも効果が期待できます。
ただし時間が経つと効果が薄れてしまうので、定期的な再設置が必要になります。




Aネズミ捕獲用のワナを設置する
ネズミを物理的に捕獲する手段として使用します。
ゴキブリホイホイの巨大版のような粘着シート、箱状のマウストラップなどが市販されています。
ネズミの通り道となっていると思われる場所に設置しましょう。
ただしクマネズミは体が大きくてかなり力が強いので、
それぞれのトラップはしっかりと固定しておかないと暴れて逃げられてしまいます。




Bネズミ用の毒剤を設置する
「エンドックス」という名前の薬剤で、ネズミ退治には昔から定番の毒剤です。
ネズミの通り道になっている場所に多めに散布しておけば、
体に付着した薬剤をネズミが毛繕いすることで自ら体内に取り込み効果を発揮します。
また、エサとなる食べ物にふりかけておいたり、ダンゴを作ったりして、
直接ネズミの体内に取り込ませることも可能です。

ただしこの毒には即効性はないため、効き目を実感するには数日間の継続使用が必要になります。
散布した薬剤が減っていたら注ぎ足して、様子を見てみてください。




しかしこれら@ABの方法は、最初は効果があるかもしれませんが、いずれ全く効かなくなる可能性があります。
クマネズミの本当に恐ろしいところは、トラップや薬剤への適応力の高さです。
一度目にしたトラップには二度と近寄りませんし、粘着シートなどはジャンプして飛び越えるときも。
忌避材の臭いにはすぐに慣れてしまい、毒に対してさえも適性を持ってしまったりします。
こういったトラップや薬剤に適応したネズミを、スーパーラットと呼んでいます。


Cネズミが嫌がる電磁波や超音波によって撃退する
これは効果がテキメンのときもあれば、全く効かないということもあるようです。
値段はかなり安価な物からあるので一度ダメ元で試してみるのも良いかもしれません。
ただし、ずっと機械を起動し続けるとクマネズミはこれにも慣れてしまう場合があるようです。
定期的にオン・オフを切り替えたり、別の音波装置とローテーションを組んだりするほうが
より効果が得られる場合が多いようです。



D専門業者に依頼して駆除してもらう
忌避剤、トラップ、毒剤、音波装置を使っても状況が改善されない場合は、
すでに多少の対策が意味をなさないほどに大量繁殖を許してしまっている、
もしくは薬剤に抵抗力を持ったスーパーラットが生まれてしまっている、などの可能性が考えられます。
そうなってしまった場合は素直に専門業者に依頼しましょう。
数万円単位の費用がかかってしまいますが、クマネズミは本当に手ごわい相手です。
自分の手に負えないときは仕方がありません。

E猫や犬を飼う
そんな古典的な、と思うかもしれませんが、
猫を飼い始めてからネズミが現れなくなったという報告は多数あります。
哺乳類の鳴き声や匂いと気配をネズミは非常に嫌がります。
ペットを飼える環境でなければいけないという制約こそありますが、
ネズミ対策としての信頼性は非常に高い手段だと言えるでしょう。

クマネズミ クマネズミ


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→2015年のクマネズミのニュース

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